そんな疑問にお答えします。
生活防衛資金とは、不況で会社をリストラされたり、ケガや病気で入院したり、地震や洪水などの災害にあったりといった、不測の事態にあった時に、自分と家族の生活を守るためのお金です。
投資関連の本を読んでいると、給料の3か月分とか生活費の1年分とか様々な意見が出ていますが、僕は生活費の2年分は用意すべきという意見に賛同しています。
当記事では、その根拠や生活防衛資金を用意する意味などについて解説していきます。
目次
生活防衛資金は生活費の2年分用意すべき理由
生活防衛資金をいくら用意すべきかという話には様々な意見があり、どれが正解というものはありません。
万が一の事態に遭遇した時、生活防衛資金が多ければ多いほど生活や心の平穏を守ることができます。
それにも関わらず、一刻も早くFIREを達成したい僕が生活費の2年分という金額を推奨する根拠について、まずは解説していきたいと思います。
リストラされた場合の精神的な効用
平均的な転職活動期間は「3~6か月」と言われています。(リクナビNEXTのWEBサイトより)
リストラされる状況というのは、経済の状況もかなり悪くなっており、転職先もなかなか決まらず、自分が保有している金融資産も価格が下がっていることが予想できます。
精神的に追い込まれた状況では、就職先を選ぶ余裕などなく、自分のやりたくない仕事やいわゆるブラック企業でも仕方なく入社してしまうということも起こりえます。
そんな時に、生活防衛資金を2年分用意してあれば、精神的な面ではかなり余裕が生まれ、腰を据えて転職活動に臨むことができるようになるかと思います。
下落相場で運用資産を売却しなくてすむ
生活防衛資金は3か月で十分という意見の理由として、株式や投資信託のような流動性の高い金融資産であれば、数日で換金できるというのがあります。
ただ、先ほどもお話しした通り、リストラにあった時などは経済の状況が悪化しており、相場も下落していることが予想されます。
買値にこだわって必要な時に資産を売却できないのは、「サンクコスト(sunk cost、埋没費用)」にとらわれて合理的な判断ができていないからだという意見はもちろん理解できます。
非合理的かもしれませんが、生活防衛資金を多めに用意していれば、その資金が残っている間は金融資産を売却しなくても生活することができるので、やはり精神的な面で余裕を持つことができるのではないかと思います。
生活防衛資金が貯まるまでは投資を始められないのか?
ここまで記事を読んでいただいた方の中には、このような疑問を持たれた方もいるかと思います。
生活費の2年分を用意するということは、例えば生活費が1か月で20万円の人の場合、
となり、約500万円のお金が必要になります。
投資を始めようとしているけどほとんど貯金がない人にとって、500万円というのはなかなか貯めるのは大変な金額だと思います。
では、生活費の2年分を貯めないと投資をしてはいけないのかというとそんなことはありません。
だだし、必要な生活防衛資金が貯まるまでは、いざというときの対応力が下がってしまうのは認識しておく必要があります。
生活防衛資金が貯まるまでの投資は、なるべくリスクの低い資産配分で行うようにして、生活防衛資金が貯まってきたら徐々にリスクを取ってリターンの期待値を上げていくのが良いでしょう。
生活防衛資金を抑える方法
最後に、用意する生活防衛資金を抑える方法をお伝えします。
生活防衛資金で用意すべきなのは「年収」ではなく、「生活費」の2年分です。
年収で考えてしまうと、稼ぎが多い人は過剰な金額になってしまう可能性があり、稼ぎが少ない人は反対に不足してしまう可能性があります。
先ほど例で挙げた生活費月20万円の人の生活防衛資金は480万円でしたが、この人が生活費を月15万円まで減らすことができれば、
となり、必要な生活防衛資金を120万円も減らすことができます。
このように、節約をして生活費を抑えるということは、投資資金を捻出するだけでなく、いざというときの生活防衛資金を少なくする効果もあります。
お金があるからといって生活レベルをやたらと上げてしまうのは得策ではありません。
まとめ
生活防衛資金はいざというときの生活費としてだけではなく、精神的な安定を得るための効力もあります。
最終的に生活防衛資金をどのくらい用意するのかはあなた次第ですが、僕は少し多く感じてしまうくらいの金額を用意しておくことで、自分や家族の生活を守りつつ、精神的な安定を図っておくことをおすすめします。