【最高効率を目指す】NISAとつみたてNISAの違いと選択のポイント
投資をするならつみたてNISAを使ったほうが良いって聞いたけど、口座を作るときにつみたてNISAの他に一般NISAっていうのがあるらしい・・・。どっちを選んだほうが得なのかな?

そんな疑問にお答えします。

 

NISAとは、日本語にすると少額投資非課税制度で、NISA口座で株式や投資信託を運用して出た利益が全額非課税になる制度です。

それぞれ年間で利用可能な金額と非課税の年数等が違いますが、初めて利用する時はどちらを選べば良いのかわからないですよね。

ぱんだくん
投資できる金額と非課税期間をかけたらつみたてNISAの方が金額が大きいんだから、つみたてNISAを選んだ方がいいんじゃないの?

なしば
つみたてNISAの方が一般NISAよりも非課税枠が大きいのでお得という説明がよくされていますが、実は必ずしもお得とは限らないんです。

そこで当記事では、一般NISAとつみたてNISAの違いや、非課税枠を最大限活用する方法について解説していきます。

注意ポイント

投資判断は自己責任でお願いします。当記事の情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。
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一般NISAとつみたてNISAの違い

一般NISAとつみたてNISAの特徴を比較すると次のような表になります。

一般NISA つみたてNISA
年間の投資上限額 120万円 40万円
非課税期間 5年間 20年間
一度に運用できる最大金額 600万円 800万円
投資対象 株式投資信託、国内・海外上場株式、国内・海外ETF、REITなど 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
投資方法 積立のみ スポット・積立
新規投資可能期間 2014~2023年(2028年まで5年間延長予定) 2018~2037年(2042年まで5年間延長予定)
非課税期間終了後の扱い 新たな年の非課税枠への資産への移管(ロールオーバー)が可能 課税口座に移管

非課税期間・投資上限額

どちらも非課税対象期間が設けられており、一般NISAは最大5年、つみたてNISAは最大20年となっています。

また、年間で投資できる金額にも上限があり、一般NISAは最大120万円、つみたてNISAは最大40万円です。

これらの期間と金額を掛けると次のようになり、最大の非課税枠がわかります。

一般NISA:120万円×5年間=600万円
つみたてNISA:40万円×20年間=800万円

このように、トータルではつみたてNISAの方が利用できる非課税金額の枠が大きいことがわかります。

ただし、必ずしも最初からつみたてNISAを活用する方が利用できる非課税枠が大きいわけではありません。

その理由についてはこの後解説したいと思います。

投資対象

つみたてNISAに投資できるのは、金融庁が定める条件を満たした投資信託やETFのみとなっており、シンプルで低コストな商品が厳選されています。

ぱんだくん
商品が厳選されてるから初心者でも安心だね!

一方で、一般NISAの場合、投資信託やETF以外にも、国内外の株式やREIT(不動産投資信託)にも投資することができるようになっています。

もちろん、一般NISAでもインデックスファンドなどの長期投資向けの商品を選ぶことはできるので、ある程度商品選択の知識があれば、つみたてNISAよりも投資先の選択肢が広くなります。

投資方法

つみたてNISAは積立専用のNISAなので、「毎日」や「毎月」、「隔月」など定期的に継続して投資商品を購入する必要があります。

一方で、一般NISAでは投資のタイミングについては決められていません。

自分の好きなタイミングで非課税枠の120万円分まとめて購入することもできますし、つみたてNISAと同じように毎月10万円ずつ購入するなど積立購入もすることができます。

非課税期間終了後の取り扱い

つみたてNISAの場合、非課税期間の20年間が経過した後は、通常の課税口座に移管されることになります。

一方、一般NISAの場合は、つみたてNISAと同様に課税口座に移管するか、新しい年の非課税枠を使ってそのまま移行するのかを選択することができます。

この移管する仕組みをロールオーバーといいます。

例えば、120万円を5年間運用した結果、価格が150万円に値上がりしていた場合は、その150万円をそのまま新しい年の非課税枠を使用して移管することができます。

反対に、5年間運用した結果、価格が100万円に値下がりしていた場合、新しい年の非課税枠を100万円分だけ使って移行し、残りの枠で新たに投資を行うことができます。

※2024年からNISAの制度が改正され、一般NISAが新NISAに生まれ変わりますが、現行の一般NISAで投資した金額はロールオーバー可能の予定です

▼ロールオーバーについての詳しい解説はこちら▼

一般NISAとつみたてNISAのどちらを選ぶべき?

ここまでで一般NISAとつみたてNISAの制度の違いを見てきましたので、ここからはどちらを選ぶべきかについて考えていきたいと思います。

一般NISAを選んだ方が良い人

一般NISAを選んだ方が良いのは次のような人になります。

一般NISAを選んだ方が良い人
  • まとまった投資資金がある人
  • 株式やREITなどにも投資したい人

まとまった投資資金がある人

一般NISAはつみたてNISAに比べて年間に投資できる金額が多いため、現在まとまった投資資金がある人はより多くの金額を投資できる一般NISAを利用するのが良いでしょう。

投資は期間が長くなればなるほど増やす機会が多くなるので、せっかく手元に投資できるお金があるのに投資をせずに寝かせておくのはもったいないですね。

年間40万円以上投資できるのであれば、より多くの金額を投資できる一般NISAがおすすめです。

株式やREITなどにも投資したい人

一般NISAでは、投資信託やETFなどの長期投資向きの商品以外にも、株式やREITなどのつみたてNISAでは投資できない商品にも投資することができます。

金融庁が定めた条件によって厳選された商品から選ぶつみたてNISAと比べて、商品選択の難易度は上がりますが、銘柄選びや売買のタイミングが良ければ大きく資産を増やせる可能性があります。

ただし、非課税枠を消費して投資した商品を売却したとしても、その枠が復活して再度使えるわけではないので、短期売買には向いていないという点には注意しましょう。

つみたてNISAを選んだ方が良い人

つみたてNISAを選んだ方が良いのは次のような人になります。

つみたてNISAを選んだ方が良い人
  • まとまった投資資金がない人
  • 投信やETFでの長期積立投資を考えている人

まとまった投資資金がない人

まとまった投資資金がない人は、毎月の収入から投資資金を捻出して投資を行うことになります。

そのため、1年間に捻出できる金額が40万円以下の場合は、年間に投資できる金額が少ない分、非課税金額が20年と長いつみたてNISAを選ぶのがおすすめです。

投資信託やETFでの長期積立投資を考えている人

上でも解説している通り、つみたてNISAで投資できる商品は、投資信託やETFの中でも手数料が低く長期投資に向いたものが厳選されているため、インデックス投資のような長期投資を行う人に向いています。

また、つみたてNISAでは定期的に一定の金額で購入していくことになり、価格が安い時にはたくさん購入でき、価格が高い時には少しだけしか購入できないため、結果的に平均購入単価を下げる効果があります。(ドルコスト平均法

非課税枠を最大限に活用する方法

最後に非課税枠を最大限に活用する方法を紹介します。

それは、一般NISA(新NISA)で投資できる2028年までは一般NISAで投資を行い、それ以降の期間はつみたてNISAに切り替えるという方法です。

2021年現在、最初からつみたてNISAで投資を行った場合の累積非課税金額は、

40万円×22年=880万円

となります。

一方で、2028年までの8年間は一般NISA(新NISA)で非課税枠を最大限活用し、2029年以降はつみたてNISAに切り替えた場合、

①一般NISA:120万円×3年=360万円
②新NISA:102万円×5年=510万円
③つみたてNISA:40万円×560万円
①+②+③=1,430万円
※計算を簡単にするため、一般NISAから新NISAへのロールオーバーはしない場合の金額です

となり、最初からつみたてNISAを使用した場合よりも550万円多く非課税で投資を行うことができます。

 

ただし、一般NISAの非課税期間は5年間となっており、一般NISAの新規投資可能期間後はロールオーバーすることができないため、課税口座に移管されることになります。

その際に利益が出ている状態であれば問題ありませんが、損失が発生している場合、損益通算ができない分、課税口座で投資をしている場合よりも不利になります。

なしば
「利用できる非課税枠が多い=絶対に得する」というわけではないので注意しましょう。

 

損失時に損益通算ができないNISAのデメリットは、一般NISAに限らずつみたてNISAにも言えることです。

ですが、投資期間は長い方が得する確率は高くなるのが過去の投資成績からわかっているので、非課税期間が短い一般NISAは、そのデメリットを受けてしまうリスクがつみたてNISAよりも高いことは頭に入れておきましょう。

まとめ

一般NISAとつみたてNISAを選ぶ際は、現在自分の手元にどれだけの投資資金があるのかを判断基準にすると良いでしょう。

また、投資可能期間中は一般NISAで投資を行い、残りの期間をつみたてNISAに切り替えることで、非課税投資枠を最大限活用することができます。

ただし、NISAには損失発生時に損益通算できないというデメリットもあり、課税口座で運用するよりも絶対得するというわけではないことは理解しておきましょう。

 

最後に投資をする上で活用すべきつみたてNISAとイデコについて、実践的な知識を学ぶことができる本を紹介します。



非課税期間終了後の出口戦略やロールオーバーの判断基準などかなり実用的な内容も説明してくれているので、投資を少しでも有利に進めたい方は是非一度読んでみてはいかがでしょうか。

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