こんな事を思った経験はありませんか?
ですが、インデックスファンド投資の名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』で紹介されていた、ある理論の説明を見た時に、やっと自分の中で腹落ちすることができました。
そこで当記事では、『ウォール街のランダム・ウォーカー』で紹介されている砂上の楼閣理論について解説していきます。
この理論を知っているだけでも、そのモノの本質的な価値からかけ離れた値段で売買をするゲームに参加してしまうことを防ぐことができますし、参加しても負けないように立ち回れるよう考えることができるようになります。
砂上の楼閣理論とは?
砂上の楼閣理論とは、著名な経済学者であり、投資家としても並外れた成功を収めたジョン・メイナード・ケインズが株式の資産評価方法を「砂上の楼閣」にたとえて表現した理論です。
砂上の楼閣
砂上の楼閣とは、「崩れやすい砂の上に建てた立派な建物のことで、見た目は立派だけど土台が脆く長く維持できないもの」のたとえです。
投資業界のプロたちの資産価値評価のよりどころとして、ファンダメンタル価値理論と共に株式投資の二大流派として伝統的に用いられてきた理論です。
ケインズによると優れた投資家とは、
とのことです。
企業の将来の収益見通しや配当がどうなるのかは、誰にもわからないことを前提として、一般投資家が砂上の楼閣を作り上げることを予測して先んじて株式を購入しておき、その砂上の楼閣が大きくなりすぎて崩れる前に売却して利益を得るということです。
毎朝ベッドで30分考えるだけ
ケインズは、この理論をもとに毎朝30分だけベッドの中で株式市場の事を考えるだけで、自分の資産を何百万ポンドも増やしたそうです。
また、母校であるケンブリッジのキングス・カレッジのファンドマネージャーとして、その基金を何百万ポンドも増やしたという実績も残しています。
ケインズの「美人投票」論
ケインズは株式投資の本質を「新聞紙上美人コンテスト」に例えて説明しました。
これは、ロンドンの大衆紙が定期的に新聞以上に美女100人の顔写真を掲載し、新聞の読者に六名連記で投票させた催しのことです。
この美人コンテストで選ばれた美女たちに最も近い投票をした読者には多額の賞金が与えられました。
この催しで賞金を得るには、自分が美人だと思った人たちに投票するのではなく、自分以外の参加者が美人だと思う人を選ぶ方が戦略的には有効です。
「より馬鹿」理論とも呼べる
先ほど紹介した「美人投票」理論をもっと残酷な表現に変えると、「より馬鹿」理論と呼ぶこともできます。
投資の世界では、絶えずおめでたい人が新たにゲームに参加していることが想定されています。
もし自分が本質的の三倍の値段で買ってしまっても、さらに自分「より馬鹿」な人を見つけて五倍の値段で売りつければ儲かるというわけですね。
そして、この「より馬鹿」を見つけるゲームで最後の馬鹿になってしまった者が損をしてしまうというわけですね。
まとめ
今回はインデックスファンド投資の名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』から、砂上の楼閣理論について紹介しました。
最近の仮想通貨なんかは、この砂上の楼閣で上がったり下がったりを繰り返しているんじゃないかと思います。
こういう類の投資にはそもそも近づかないのが賢明だと思いますが、もし参加する場合は、今回紹介した理論を理解したうえで、自分が「より馬鹿」にならないように、ゲームの始めの方で参加して、機先を制することを心がけましょう。