そんな疑問にお答えします。
投資を始める時に最初に決めるのが、貯蓄のうちいくらまで投資に回すかを考えますよね。
初めてだと、どれくらい増えたり減ったりするのかわからないから、どれくらい投資すべきか、現金で残しておくべきかの判断が難しいと思います。
そんな時に考えるのが、リスク許容度です。
リスク許容度は、その人の現在の資産状況や年齢、家族構成などで異なるので、どんなに投資の本を読んでも正解はありません。
リスク許容度を決めておくことは、暴落相場が来た時に生活が破綻してしまったり、投資から脱落したりしないために重要なことです。
そこで当記事では、リスク許容度の決め方について解説していきます。
リスク許容度とは
リスク許容度とは、資産運用で発生する損失を1年間でどの程度まで許容できるかの度合いです。
リスク許容度に明確な定義はありませんが、○○%という割合で表したり、○○万円という金額で表したります。
1000万円のうち1年間で100万円まで減っても良い場合→10%
投資におけるリスクとは
リスクという言葉は、一般的に「危険」や「失敗したり損をしたりする可能性」という意味で使われますね。
投資の世界でリスクという言葉は、増えるかもしれないし、減るかもしれない不確実性という意味で使われます。
リスクが高い場合、運用がうまく言った場合に増える可能性のある金額も大きくなりますが、うまくいかなかった場合に減る金額も大きくなります。
反対にリスクが低い場合、増える可能性のある金額は小さいですが、その分減る可能性のある金額も小さくなります。
このように、投資におけるリスクとは、投資した金額が増減する可能性のある振れ幅を表します。
リスク許容度の決め方
リスク許容度の決め方は人それぞれですが、次のようなことを考慮すると良いでしょう。
- 年間の貯蓄可能金額
- 自分の年齢
- 精神的にどの程度まで耐えられそうか
それぞれ解説していきます。
年間の貯蓄可能金額
投資に取り組まれているあなたは、始める前のステップとして家計の把握と改善を行い、年間の収入と支出からいくら貯蓄できるかまで把握できているかと思います。
この年間の貯蓄可能金額をリスク許容度の目安として考える方法です。
例えば、年間の収入が450万円で支出が300万円の家計であれば、年間の貯蓄可能額は150万円です。
この150万円を1年間の損失で耐えられる最大の金額として設定すると、最悪の場合でも1年間で損失をリカバリーできるという考え方をすることができます。
現在の年齢
リスク許容度を考える際は、現在の年齢を考慮に入れるようにしましょう。
一般的に年齢が高いほど許容できるリスクは小さくなります。
先ほどの収入が150万円の家計の例で考えてみましょう。
リタイアする年齢を60歳と仮定して、現在の年齢が30歳の場合、あと30年間働くことができるので、
となり、4,500万円を貯蓄することができます。
一方、現在の年齢が50歳の場合、働ける期間は10年なので、
となり、現在の年齢が30歳の場合と比べて3000万円の差があります。
自分がリタイアする時に最低限必要な金額を考えておき、今すぐに最悪の事態が発生しても残りの期間でリカバリーできる範囲をリスク許容度とすることで、リタイア後の生活が破綻する可能性を軽減することができます。
精神的にどの程度耐えられそうか
ここまでは理屈でリスク許容度を考える方法をお伝えしてきましたが、最後は自分が精神的にどの程度の損失まで耐えられそうかというところになるかと思います。
いざ損失が発生した時に、理屈ではリカバリーできるとわかっていても、「相場の下落に怯えて毎日眠れない日々を過ごすくらいなら・・・」と資産を売却してしまいたくなる気持ちになるのも理解できます。
ですが、この下落相場に耐えて積立を続けることこそが、我々インデックス投資家の最大の仕事です。
下落相場こそ、安く資産を仕込む最大のチャンスと考えて投資を続けられるかどうかが成功の鍵になります。
自分が精神的に耐えられそうな範囲をリスク許容度としておき、下落相場でも落ち着いて判断ができるような資産構成になるように心がけましょう。
まとめ
リスク許容度を適切な範囲に決めておくことで、いざ損失が発生した場合でも最低限の生活を守りつつ、投資からの脱落を防ぐことができます。
お金をなるべく早く増やしたいからといってリスクを取り過ぎずに、自分の生活と心の安定を保てる範囲内で投資をするようにしましょう。