そんな人におすすめの記事です。
自分や家族の将来ために頑張りすぎていませんか?
平日は朝から深夜まで働いて、休日は疲れているのでほぼ寝ているだけで終わってしまう・・・。
給料はそれなりにもらえているけど、果たして自分は幸せなんだろうか?
こんな風に少し疲れてしまっているあなたに紹介したいのが、『ダウンシフト』という生き方です。
実際にダウンシフトするかどうかは別として、こういう生き方もあるんだということを知っておくだけでも、気持ちが楽になります。
そこで当記事では、ダウンシフトという生き方について紹介していきたいと思います。
目次
ダウンシフトとは
ダウンシフトとは、生活のペースを減速して、ゆとりのある人生にシフトしていく生き方のことです。
英語にすると「downshift」で、より低く(down)、切り替える(shift)という意味で、「車のギアを一段階下げて低速にする」ことに由来した言葉です。
FIRE・サイドFIREとの違い
ダウンシフトとFIRE・サイドFIREは似ていますが、意味合いが異なります。
・サイドFIRE:資産収入で不足する生活費を労働することで補完し、残りの時間を自由に過ごす
・ダウンシフト:仕事にかける割合を減らして自分の好きな事や家族や友人のための時間に使う
ダウンシフトには「現役を退く」というニュアンスは含まれていません。
あくまで仕事は続けながらも、自分の時間確保に重点を置く生き方を指しています。
FIREやサイドFIREをするには、資産収入を得るための基になる金融資産の形成が必要です。
ですが、ダウンシフトは考え方を変えるだけで実行に移すことが出来るので、ハードルが低いこともポイントの一つですね。
ダウンシフトが注目されている理由
終身雇用の崩壊
ダウンシフトが注目されるようになった大きな理由の一つが「終身雇用の崩壊」です。
一昔前は当たり前だった終身雇用ですが、現代社会ではその制度は崩壊しつつあり、年々正規雇用者の数は減少しています。
「1つの会社で頑張り続ければ定年まで安泰」という考え方が薄れつつあります。
人生100年時代
日々進歩する医療技術によって人間の寿命は年々伸びており、将来は「人生100年時代」が到来すると言われています。
定年する年齢が60歳だとしても、100歳まで40年もの期間を生きることになります。
長距離マラソンでは最初に全速力を出してしまうと終盤に体力が残っていなくてスピードダウンしてしまいます。
人生もそれと同じで、若い頃に身を削る勢いで仕事をして体力や健康を犠牲にしてしまうと、人生の後半を乗り切れなくなってしまいます。
長距離マラソンのようにペース配分を考えて、若いころから体力を温存して健康を維持し、100年という長いマラソンを走りぬくことがこれかの時代には必要になってきます。
働き方の選択肢が増加
IT技術の発展によって、現代では会社員以外の働き方の選択肢が増えてきています。
下記の副業の記事でも紹介していますが、パソコンさえあれば誰でも自宅でお金を稼ぐことが可能な時代になっています。
会社に依存しなくても自分が生活できるだけの稼ぎを得られるようになったことにより、会社に縛られる生活よりも、自分の価値観を優先して考える人が増えてきています。
その結果、会社では無理せず働き、自由でゆったりとした生活を送るダウンシフトという生き方が広まってきているのだと考えられます。
FIREの流行
ダウンシフトとは少し異なりますが、「FIRE」という生き方が流行してきているのも理由の一つだと思います。
FIREの流行によって、「正社員として年金が貰えるまで働く」というこれまでの常識が覆されつつあります。
ですが、FIREを達成するには、
・節約して支出を下げる
・投資をしてお金を増やす
これらに取り組んで、生活費を賄えるくらいの資産収入が得られるだけの資産を形成する必要があり、それなりにハードルが高く、今すぐにFIREできるというものでもありません。
その点、ダウンシフトは考え方を変えるだけですぐにでも実行することができるので、人生の早いタイミングで自分の時間を取り戻したいという人から注目が集まっているのだと思います。
ダウンシフトするメリット・デメリット
ダウンシフトするメリット・デメリットについても触れておきます。
ダウンシフトするメリット
ダウンシフトをするメリットは、何と言っても「自由な時間を得られる」ようになることです。
会社員時代は時間がなくて出来なかった趣味をやるのも良いですし、友人や家族と過ごす時間を増やしても良いでしょう。
定年してからでも自由な時間を得ることはできるかもしれませんが、その頃には自分の体は老いていて、若い頃のような無茶はきかなくなっています。
人生の早い段階で自由な時間を得られるようになるのが、ダウンシフトの醍醐味です。
また、先程も触れたように、ダウンシフトはすぐに実行することができます。
働くこと自体を辞めるわけではないので、FIREのように何十年単位で資産形成をする必要もありません。
考え方を変えるだけでにすぐに実行に移すことができるので、FIREに比べてハードルが低いのもメリットです。
ダウンシフトするデメリット
ダウンシフトすると、働く時間が減ることによって収入が減ってしまう場合がほとんどです。
そのため、生活レベルが下がってしまう可能性が高いです。
お金よりも自由な時間を得ることを優先しているため当たり前のことですが、収入が減る分、生活費を削減する工夫が必要になります。
自分の中でどこにお金をかけて、どこは削減すべきかの優先順位をつけて、優先順位の低い項目を削減していくようにすれば良いと思います。
ダウンシフトに向いている人
ダウンシフトは魅力的な生き方だと思いますが、人によって向き不向きがあります。
ダウンシフトはどんな人に向いているんでしょうか。
収入が少なくなっても身近な幸せを感じられる人
ダウンシフトすることで、収入が少なくなってしまう可能性があります。
お金を使って贅沢をするよりも、自分の好きな事に時間を使って自由に生活をしたり、工夫して節約すること自体を楽しむことで幸せを感じられる人はダウンシフトに向いています。
人は贅沢することで得られる幸福感には慣れていってしまうので、お金やモノの所有に依存しなくても幸福感を得られるようにマインドセットを変えていくことで、ダウンシフトした生活を楽しめるようになるでしょう。
チャレンジ精神旺盛な人
ダウンシフトをするには、多かれ少なかれ現在の環境を変えるために行動する必要があります。
ダウンシフトしている人の中には、移住して農業をしたり、起業したりとアクティブな人もいますが、そこまで極端になる必要はないと思います。
転職や同じ会社内での部署異動などでも良いので、現在の環境を変えるために行動するためのチャレンジ精神必要になります。
失敗しても立ち直れる人
ダウンシフトをするとライフスタイルが大きく変わる可能性があります。
成功して自分の計画通りにダウンシフト生活を送ることができれば良いですが、必ず成功するという保証はありません。
ダウンシフトしてみたものの、自分の想像していた生活と違っていたという事は大いに起こり得ます。
失敗したからと言って、すぐにダウンシフト前の生活に戻れるとは限りません。
そんな時でも、また一からやり直せる自信がある人がダウンシフトには向いています。
反対に、生活に安定を求める人や、失敗するのが怖い人はダウンシフトには向いていないかもしれません。
ダウンシフトで失敗しないために考えること
ダウンシフトで失敗しないために考えるべきことを紹介します。
①価値観の整理
まず一番最初にやるべきなのが、「価値観の整理」です。
自分が人生において何を重視するのか、どんな人生を送りたいのかを整理しておくことで、
・自分がどういう時に幸せを感じるのかが分かる
・人生でどれくらいのお金が必要なのかがわかる
からです。
「ダウンシフトしたいと思っていたけど、価値観を整理してみたら、実は仕事が一番のやりがいだった」ということもあるかもしれません。
そんな人がダウンシフトをしても、毎日の生活が物足りなくて後悔することになるでしょう。
限られた時間を有効的に使えるように、自分が人生で優先したいことを整理しておきましょう。
②極端に考えすぎない
ダウンシフトの事例として、次のような人達が挙げられていたりします。
・地方に移住して半農半“木工職人”を営む人
・半農半“パン屋”を営む人
・半農半“豆腐屋”を営む人
・農業をしながらNPOで働く人
・結婚して循環型農業を目指すカップル
・妻と2人の子どもと離島に移住して灸師になった人
・都市と地方を繋ぐプロデューサーを目指している人
・障がい者でも安心して立ち寄れる飲食店を開いた人
・野菜の魅力を伝えたくてキッチンカーを始めた人
・人と地球を元気にすることを使命に情報発信会社を興した人
・自然派志向のフリーライターになった旅好きの人
・ITデザイン会社を辞めて、体を動かして直接コミュニケーションできるアートを模索して、住宅街にお洒落な靴・鞄の修理屋さんを開いた人
・エコツアーを引率するインタープリターになって森に通う元広告代理店勤務だった人
・地域貢献ビジネスを興す人に融資するNPOバンクを立ち上げた3人の子供を持つ人
・社会に本当に必要とされる会社を増やし、調和の上に成り立つ社会に貢献するという目的で小さな投資信託会社を興した元外資系投信会社副社長の人※書籍「減速して自由に生きる: ダウンシフターズ」より抜粋
農業をしながら別の仕事でお金を稼ぐ所謂「半農半X」という働き方や、起業して自分の事業を持っている人たちが多いですね。
でも、ダウンシフトをするからといって、ここまで極端に考える必要はないと思います。
メディア等ではこういう極端な例が取り上げられがちですが、別に農業を始めたり、企業をしたり、地方に移住したりする必要はありません。
ですが、極端に取り組もうとすると、会社員時代とはまた別の苦労をすることになる可能性があります。
僕は今の生活よりも少しギアを下げて、仕事に割く時間を減らして自由な時間を作るだけでも十分だと思います。
③部署異動⇒転職⇒フリーランスの順番で考える
ダウンシフトをするのにいきなり会社を辞める必要はありません。
現状が忙しい部署に所属しているなら、まずは社内で部署を移動できないか希望してみましょう。
もしかするとそれだけで生活が楽になる可能性があります。
転職は、部署異動が叶わなかったり、会社全体が同じ状況の場合に初めて考えましょう。
そして、転職しても自分の悩みが解決せず、会社員として働いているうちは自分の悩みを解決するのは難しいと分かった時点で、フリーランスになれば良いと思います。
このように、いきなりギアを数段階下げて会社を辞めるのではなく、段階を踏みながら徐々にギアを下げていくと、自分にとって居心地が良いギアの段階を見つけていきましょう。
まとめ
今回はダウンシフトという生き方について紹介しました。
仕事ばかりの毎日で疲れてしまった、かといって仕事を辞めてしまうと生活できないという人は、まずは自分の人生の価値観を整理して、ダウンシフトの考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。