【FIRE後】インデックス投資の出口戦略!4%ルールでの取り崩しで資産を長持ちさせよう
FIREした後はどうやってインデックス投資を取り崩していけばいいんだろう?4パーセントルールが良いって聞くけど、具体的な出口戦略を教えてほしい。

そんな疑問にお答えします。

 

世の中にはインデックス投資のメリットや始め方に関する情報はたくさんありますよね。

でも、『リタイア後の資産の取り崩し』についての話になると、まだまだ情報は少ないんじゃないでしょうか。

情報が少ないので、

ぱんだくん
将来自分がリタイアした直後に暴落が来たらどうしよう・・・

こんな風に不安になっている人も多いのではないかと思います。

そこで当記事では、4パーセントルールを中心としたインデックス投資の出口戦略について解説していきます。

なしば
Twitterの皆様にアンケートをした結果もあるので、是非参考にしてみてください!
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インデックスファンドの出口戦略「4パーセントルール」

インデックスファンドの取り崩し方法として有名なのが、「4パーセントルール」です。

FIREを目指している人ならおなじみですね。

ですが、実はこの4パーセントルールには2種類の取り崩し方があるんです。

4パーセントルールの種類
  • 「定額」での取り崩し
  • 「定率」での取り崩し

同じ4パーセントで取り崩していくという点では同じですが、両社では結果に大きな差が出てきます。

この違いを踏まえつつ、インデックスファンドの出口戦略を紹介していきます。

インデックスファンドの出口戦略3選

インデックスファンドの出口戦略として、次のような方法があります。

インデックスファンドの出口戦略
  • 「リタイア時の資産」を4パーセントの「定額」で取り崩す
  • 「毎年の資産」を4パーセントの「定率」で取り崩す
  • 必要な時に必要な分だけ売る

一つずつ具体的に紹介していきます。

①「リタイア時の資産」を4パーセントの「定額」で取り崩す

まず初めに解説するのが、「リタイア時の資産」を4パーセントの「定額」で取り崩す方法です。

具体例:資産1億円でリタイアする場合
・1年目:1億円×4%=400万円の取り崩し
・2年目:1億円×4%=400万円の取り崩し
・3年目:1億円×4%=400万円の取り崩し
・4年目以降も同様

取り崩し時点での資産額は関係なく、リタイア時点の金額を定額で取り崩すのがポイントです。

単純に考えると、何もせずに毎年取り崩していると、25年目の取り崩しの時点で資産が枯渇してしまいそうですよね?

ですが実際は、取り崩した後の残りの資産は引き続き運用し続けることになるので、資産はそれ以上に長持ちします。

この話の根拠は、退職プランと経済理論を研究したトリニティ大学における論文「トリニティスタディ(Trinity Study)」が基になっています。

トリニティスタディとは
「リタイア後の資産運用の出口戦略として、どのような割合・金額を取り崩しながら資産を運用すると資産の寿命を最も長らえさせることができるのか?」というテーマについてアメリカのトリニティ大学の3人の教授が研究・発表したもの。

記録が残っている株式・債券市場の価格データを用いて、一定額の資産を持っている退職者が、毎年一定割合の金額を引き出しつつ投資を行った場合に資産額がどうなるのかをシミュレーションした結果が根拠になっています。

このシミュレーションでは、毎年4パーセントの定額で取り崩しを行えば、貯蓄が30年以上持続する可能性が95パーセントという結果が出ています。

また、複数のシナリオでシミュレーションした検討したところ、資産が枯渇するどころか中央値ベースで当初資産の8倍にまで成長しています。

シミュレーション期間は1926年~1995年の70年間ですが、そこにはウォール街大暴落ブラックマンデー大暴落などの暴落期間が含まれています。

シミュレーションでは暴落期間も含めて4パーセントずつ定額で取り崩しているわけですが、そのうえで上記のような結果になっています。

▼トリニティスタディのより詳しい解説はこちら▼

「定額」で取り崩すメリット

定額で資産を取り崩すメリットは、計算がわかりやすいことです。

現在の資産額に関わらず、毎年一定額を取り崩せば良いだけなのでわかりやすいですよね。

また、取り崩し額が一定で毎年上がったり下がったりすることがないので、生活水準が安定するのもメリットです。

「定額」で取り崩すデメリット

定額で取り崩すデメリットは、「定率」で取り崩す場合に比べて資産が枯渇しやすいという点です。

というのも、定額で取り崩す場合、ドルコスト平均法がデメリットとして働いてしまうからです。

インデックスファンドを積み立てる際は、ドルコスト平均法で平均購入単価を下げられるというのはご存じの方も多いと思います。

ですが、取り崩しの場合は逆で、相場が下がっているときは多めの口数を取り崩し、上がっている時は少ない口数を取り崩すことになります。

そのため、相場の状況によっては、資産が想定よりも早く枯渇してしまう可能性があります。

②「毎年の資産」を4パーセントの「定率」で取り崩す

4パーセントルールで取り崩し方として、「毎年の資産」を4パーセントの「定率」で取り崩す方法があります。

こちらの方法は、インデックス投資家のバイブルである、「ウォール街のランダム・ウォーカー」で紹介されています。

4パーセントという数値の根拠は、トリニティスタディ同様、ポートフォリオからの期待リターンからインフレ率を引いたものになります。

4パーセントの根拠
  • 株式:債権の運用比率50:50での期待リターンが5.5%
  • インフレ率が1.5%
  • 5.5%-1.5%=4%

これはアメリカにおける話なので、インフレ率が低い日本ではもう少し多めに取り崩しても問題ない可能性はあります。

ただし、日本はインフレ率の目標を2%としており、リタイア後のポートフォリオはもう少し保守よりになっていることを考えると、やはり4%程度に落ち着きそうです。

「定率」で取り崩すメリット

定率で取り崩す主なメリットは、資産が長持ちしやすいことです。

ドルコスト平均法で積み立てるのと同様、相場が下がっている時は少ない口数を取り崩し、上がっている時は多くの口数を取り崩すことになります。

そのため、相場が安い時に多く売却してしまうというリスクを避けることが出来ます。

「定率」で取り崩すデメリット

定額で取り崩すデメリットは、資産残高が減ると売却金額も減少してしまうことです。

これはメリットの裏返しなので、必ずしもデメリットとは言えないかもしれません。

ですが、売却時期によって売却額が変わることで、生活水準が安定しないというのは明確なデメリットと言えるでしょう。

③「必要な時」に「必要な分」だけ取り崩す

3つ目は「必要な時」に「必要な分」だけ取り崩す方法です。

これまで紹介した2つの方法はどちらも投資の期待リターンとインフレ率を考慮した4パーセントという数字を使って取り崩す方法でした。

上記の方法を実践すれば、高い確率で資産を減らすことなく、人生を終えることができます。

 

ですが、あの世までお金を持っていくことは出来ないので、死ぬ直前に多額の資産を持っていても意味はありません。

人生の終わりが見えてきたタイミングで、お金を使えるうちに使ってしまうというのも一つの出口戦略になります。

 

「急に理論もへったくれもない話になってしまった・・・」と思われそうですね。

ですが、必要な時に必要な分だけ取り崩すというのは、現在の相場を気にせず取り崩すということです。

下手に相場を読もうとして、

・中途半端に安い時に売ってしまう
・経っても売ることが出来ず、お金を使う機会を失ってしまう

というような事態を防ぐ効果もあります。

なしば
相場を読んで売却の金額・タイミングを計るのに比べれば、よっぽど合理的な戦略だと思います。

資産を長持ちさせるための工夫

4パーセントルールを用いて資産を取り崩す場合、次のようなことに気を付けることで、資産を長持ちさせることができます。

資産を長持ちさせるための工夫
  • ポートフォリオの期待リターンより小さいパーセンテージで取り崩す
  • インフレ率を高めに考慮する
  • 暴落相場では取り崩す金額を少なめにする
  • 資産配分の比率が変わらないように注意する

上2つは取り崩す金額が4パーセントルールを逸脱しないための工夫です。

仮に1パーセント取り崩し額下げるとすると、「3パーセントルールで取り崩す場合、30年後に資産が枯渇しない可能性は100%」という結果が過去のデータの研究で分かっています。

あくまで過去のデータなので、今後も100%大丈夫というわけではありませんが、成功率はグッと上がります。

 

また、暴落相場では、取り崩し額を控えめにしても生活できるように、現金で生活防衛資金を多めに用意しておくのも有効です。

過去の暴落の歴史を振り返ると、1980年以降の弱気相場(下落率20%以上)は最長でも30ヶ月しか続いておらず、概ね5年あれば回復する傾向にあります。

そのため、3~5年を乗り切れるだけの生活防衛資金を現金で用意しておくことで、暴落相場でも資産を取り崩すことなく乗り切れるというわけです。

 

取り崩す際は資産の配分にも注意しましょう。

例えば、株式:債権を50:50で保有しているのに、株式のみを売却してしまうと、資産の比率が債券に偏ってしまい、期待リターンとリスクが変わってしまう可能性があります。

資産配分の比率が変わらないようにバランスよく取り崩しましょう。

みんなはどう考えている?Twitterのアンケート結果


こちらはTwitterでアンケートをとった時の結果です。

「定率で取り崩す」が47.1%で、11.8%の「定額で取り崩す」の約4倍という結果になりました。

ここは予想通りで、より資産が長持ちする可能性の高い「定率」を選ぶ人が多いようですね。

 

また、少し意外だったのは「必要になった時だけ取り崩す」を選んだ人が41.2%もいたことでした。

これは、FIRE後も何らかの事業に取り組む予定で、その収入で足りない分だけ取り崩すという人が多いのかもしれませんね。

まとめ

今回はインデックス投資の出口戦略について考えました。

結論としては下記の3通りの方法が考えられます。

インデックスファンドの出口戦略
  • 「リタイア時の資産」を4パーセントの「定額」で取り崩す
  • 「毎年の資産」を4パーセントの「定率」で取り崩す
  • 必要な時に必要な分だけ売る

今回紹介した方法で取り崩しを行えば、100%というわけにはいかないまでも、高い確率で資産を維持し続けることが出来ます。

 

インデックス投資は他の投資に比べて簡単で誰でもできる投資方法ですが、出口戦略については情報も少なく、自分自身の判断で取り崩す金額・タイミングを決める必要があります。

まだまだ先の事だからといって後回しにせず、リタイア前からしっかりと出口戦略を考えておきましょう。

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