【贅沢≠幸せ】ヘドニック・トレッドミル現象と上手に付き合う方法
ヘドニック・トレッドミルって何?お金がたくさんあっても幸せになれるとは限らないって本当?

そんな疑問にお答えします。

 

ヘドニック・トレッドミル現象という言葉をご存じでしょうか。

わかりやすく言うと、『人は幸せに慣れる生き物だという性質』のことです。

人間はお金をたくさん稼いで贅沢できるようになったとしても、だんだんその状態が普通になっていき、次第に幸福感は薄れていってしまいます。

ですが、ヘドニック・トレッドミルを正しく理解して上手に付き合っていけば、大金を稼いだりたくさんのモノを所有しなくても幸福な人生を送れるようになります。

当記事では、ヘドニック・トレッドミルとは何なのか、上手に付き合っていくにはどうすれば良いのかについて解説します。

 

あなたがお金を稼ぐことに囚われず、幸福な人生を送るための一助になれば幸いです。

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ヘドニック・トレッドミル現象とは

幸せに慣れる

冒頭でも簡単に説明しましたが、ヘドニック・トレッドミル現象とは、『人は幸せに慣れる生き物だという性質』のことです。

これを知らないと、いつまでたっても新たな幸福を求め続ける「快楽のランニングマシーン」の状態になってしまいます。

人は幸福感を得られるとその幸福に段々と慣れていってしまいます。

その結果、より良いモノ、より高価なモノを求め続け、ランニングマシーンの上を走るように、求めている幸福感にたどり着けないまま走り続けることになってしまいます。

ヘドニック・トレッドミル現象の研究・実験

ヘドニック・トレッドミル現象は、1978年にフィリップ・ブリックマン、ダン・コーツ、ロニー・ジャノフ・バルマンの3人の心理学者によって発見されました。

研究では、下記の2つのグループの幸福度を追跡しました。

  • 宝くじに当選したグループ
  • 対麻痺を患ったグループ

結果は予想通り、宝くじに当選したグループは幸福度が高く対麻痺を患ったグループは幸福度が低いという結果になりました。

ところが、時間が経過するにつれて、両グループ共に現状に適応し、1年後には人生が変わる前の幸福度に戻っていたそうです。

 

この研究から、たとえ宝くじやFXなどで高額な収入があったとしても、時間が経つにつれてその状態に慣れてしまい、幸福感がなくなってしまうということがわかります。

ドーパミンが原因

ヘドニック・トレッドミル現象は人間の脳の仕組みが関係しています。

人間の脳は何か良いことが起こると『快楽物質』であるドーパミンが放出されて快楽を感じます。

ですが、ドーパミンが放出される量が多ければ多いほど快楽を感じられるというわけではないのです。

それを証明する次のような実験が2006年、ドイツの神経学者たちによって行われました。

実験内容
・被験者は円や三角などの簡単なモノを識別するゲームをする、
・勝つと1ユーロが貰える
・負けると何も貰えない
・被験者には事前に勝つ確率が教えられる

ゲームに勝ってお金が貰えれば、被験者は幸福感が得られそうな気がしますよね?

ところが、実際はそうではなく、次のような実験結果になったそうです。

勝つ確率が高い(100%)ゲームに勝ってもドーパミンの活動は活性化されない
勝つ確率が低い(25%)ゲームに勝つとドーパミンの活動が活性化
勝つ確率が高い(75%)ゲームに負けるとドーパミンの活動が低下

この実験結果から、人間が快楽を感じるのは放出されたドーパミンの量ではなく、期待値と結果を比較した相対的な差によって決まるという事がわかりました。

高価なモノを買ってもだんだん慣れて満足できなくなるのは、脳の期待値がどんどん上がってしまうことで、同じくらい高価なモノを買っても最初に比べて期待値と結果の差が小さくなるからというわけですね。

不幸にも慣れる

一方で、宝くじに当選したグループと対麻痺を患ったグループの実験結果からは、人間は幸福だけでなく、不幸にも慣れてしまうことがわかります。

これは人間の脳が変化を嫌う「馴化」という防衛システムが関係しています。

幸福も不幸も人間の脳が嫌いな変化なので、その状態を脳はストレスと感じてしまいます。

そのため、慣れていくことでストレスが少ない状態になっていくようになっているのです。

幸せの決定割合

米国カリフォルニア大学リバーサイド校の心理学教授のソニア・リュボミアスキー氏は1卵生双生児と2卵生双生児の研究から、幸福を決定する要因の割合を割り出しました。

その研究によると、幸福を決定する要因の割合は次のようになったそうです。

  • 遺伝:50%
  • 意図的な行動:40%
  • 環境(お金や容姿、健康など):10%

お金が幸福に与える影響は全体の1割に過ぎず、非常に小さいということがわかりました。

この結果から、お金やモノをたくさん持っているということが幸福度に直結しているわけではないことがわかりますね。

▼ソニア・リュボミアスキー氏の書籍▼


ヘドニック・トレッドミルと上手に付き合う方法

ヘドニック・トレッドミル現象は脳の働きなので、自らの意思で制御することは困難です。

ですが、制御しようとするのではなく、現象を理解して上手に付き合っていくことで、「快楽のランニングマシーン」から抜け出すことはできます。

ここでは、ヘドニック・トレッドミル現象と上手に付き合っていく方法を紹介します。

モノを減らす

モノを所有することで得られる幸福感は徐々に薄れていきます。

それどころか、モノを所有するにはお金や場所が必要になります。

例えば、車を所有するなら停めておくための駐車場が必要ですし、万が一の事態に備えて保険に入る必要もありますね。

モノは増えれば増えるほど所有するためのコストがかかってしまいます。

モノを所有することで得られる幸福感はどんどん薄れていくのに、それを所有しておくためのコストは反比例して増えていくということですね。

これらのコストはストレスを感じる基となり、むしろ幸福度は下がっていってしまいます。

無駄なモノは極力減らすことが、幸福感を得るためのコツです。

なしば
必要なモノまで減らしてしまうとかえって幸福感の低下に繋がります。極端にやりすぎないようにしましょう。

経験にお金を使う

モノを所有するためにお金を使うと徐々に幸福感が薄れていくのはここまで紹介した通りです。

一方で、旅行や自己投資などの経験にお金を使えば、思い出や知識が増えて幸福感が得られるうえ、モノが増えることもありません。

新しい経験をするということは、そもそも比較する対象がないという事なので、常に新鮮な幸福感を得ることが出来ます。

お金を使うのであれば、モノを所有することに使うのではなく、どんどん新しい経験をすることに使うことで、より幸福になり、人生の満足度は上がっていきます。

当たり前の事に感謝する

先ほども紹介したソニア・リュボミアスキー氏は、感謝をすることで小さな幸せを当たり前と思ってしまう「快楽順応」にも抗うことが出来ると述べています。

その中で、1週間に一度、その週に起きた感謝していることを5つ書く『感謝日記』をつけることが幸福度を高めるうえで最も効果的だったそうです。

1週間に一度というのがポイントらしく、週に3回書いたグループと1回だけのグループを比較すると、1回書くだけのグループの方が幸福度が高まっていたそうです。

なしば
これなら誰でも簡単に始められそうですね!

まとめ

今回はヘドニック・トレッドミル現象について紹介しました。

人はモノやお金を所有することで得られる幸福感には徐々になれていってしまい、より良い・高価なモノを求めるようになってしまいます。

この事を理解していないと、いつまでたっても新たな幸福を求め続ける「快楽のランニングマシーン」の状態になってしまいます。

ヘドニック・トレッドミル現象は脳の作用なので自分で制御することは難しいですが、上手に付き合っていくことは可能です。

この機会に自分のこれまでの人生を振り返ってみて、今後のヘドニック・トレッドミル現象との付き合い方について考えてみてはいかがでしょうか。

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