そんな疑問にお答えします。
ネットや本で早期リタイアの話を読んで、憧れはするものの、「そんなの一部のお金持ちの特権で収入の低い自分には関係ない」と思ってしまいますよね。
でも実は、リタイアするまでの期間は収入に左右されるわけではなく、収入と支出の割合によって左右されるんです。
当記事では、FIREまでの年数が収入と支出の割合で変わる理由や理想的な割合について解説していきます。
FIREまでの年数は収入と支出の割合で決まる
FIREまでの年数は収入に左右されるわけではなく、収入と支出の割合で決まります。
いくら年収1,000万円を稼いでいる人でも、ストレス解消のために毎晩高級なお店で飲み食いするなど、稼いだお金をすべて使ってしまっては一生リタイアすることはできません。
反対に年収が400万円の人であっても、年間の支出が200万円であれば、毎年200万円を貯蓄できることになり、10年働くだけで2,000万円の貯蓄を作ることができます。
支出を下げればFIREに必要な年数も短くなる
収入に対する支出の割合を下げることで、収入が少ない人でも貯金を増やせることは直感的にわかりやすいかと思います。
でも支出を下げることは、FIREに必要な年数を短くする効果もあるんです。
次のグラフは、ダイヤモンド社から出版されている「FIRE 最強の早期リタイア術」の著者・クリスティー・シェンさんがまとめてくれた、リタイアまでにどれくらいの年数がかかるかを表したものです。
出典:ダイヤモンドオンラインHP(https://diamond.jp/articles/-/236816)
横軸が貯蓄率(=貯蓄額÷収入)で縦軸がリタイアまでの年数になっています。
株式や投資信託、不動産などの資産運用を行うことでリタイアまでの年数を短縮することができ、どの程度のリターンで運用できたかによっても年数が変わってきます。
例えば、手取り年収1,000万円で年間の支出が800万円の人が3%の投資リターンで運用できた場合、
- 貯蓄率:(1,000万円-800万円)÷1,000万円=20%
- リタイアまでの年数:約47年
となります。
一方で、手取り年収400万円で年間の支出が200万円の人の場合、
- 貯蓄率:(400万円-200万円)÷400万円=50%
- リタイアまでの年数:約19年
となり、同じ年間の貯蓄額200万円でも、リタイアまでの年数に25年以上も差が出てきます。
年間の支出が少ない人ほどリタイア後に必要な資産は少なくて済むので、リタイアまでに貯める必要がある資産額も少なくて済むということですね。
注意ポイント
理想的な収入と支出の割合は50%以内
先ほどのグラフを見てみると、横軸が左に近い、つまり貯蓄率が低いほどリタイアまでの期間が投資リターンに影響されることがわかります。
反対に、貯蓄率が高いほど投資リターンの影響は小さくなり、60%を超えると差はほぼ5年以内に収まっています。
理想的な割合はどれくらい早くFIREしたいかによって変わってきます。
FIREを目指す人の多くは、20年くらいを目安に考えているかと思いますので、支出を収入の50%以内に抑えておけば、投資リターンの結果が1%を下回らない限り目標を達成することができます。
まとめ
理想的な収入と支出の割合は、自分がどのくらいの期間でどのくらいの貯蓄が必要になるのかによって変わってきます。
まずは今後のライフプランを考えて将来必要になるお金を試算し、そこから逆算して毎年いくら貯蓄する必要があるのかを考えるようにしましょう。