そんな疑問にお答えします。
確定拠出年金には個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)と企業型確定拠出年金の企業型DCの二種類があります。
両者には加入できる条件や掛け金の上限額などに違いがありますが、制度が複雑で少々わかりにくいです。
そこで当記事では、確定拠出年金の個人型と企業型の違いや掛け金上限額、加入条件等について解説していきます。
「そもそも確定拠出年金ってどういう制度なの?」という方は、下記の記事でわかりやすく解説しているのでそちらも参考にしてみてください。
確定拠出年金の個人型と企業型の違い
まずは個人型と企業型の違いについて見てみましょう。
・掛け金を上限までの範囲内で自分で決めて拠出する
・掛け金が全額所得控除の対象となり、所得税や住民税が安くなる
企業型
・会社が掛け金を決めて拠出する
・会社の掛け金に加えて、加入者本人が掛け金を上乗せできる(マッチング拠出制度)
・マッチング拠出制度で拠出した掛け金は全額所得控除の対象
まず大きな違いは、掛け金を個人が出すか、企業が出すかというところです。
個人型は個人が掛け金を拠出することになり、その掛け金は全額所得控除の対象となり、税金面で節税効果があります。
一方、企業型は掛け金は企業が出すことになるので、それだけでは節税効果はありません。
節税効果はありませんが、そもそも掛け金は会社が出していて給与として扱われないので、掛け金分の税金はかかりません。
また、企業によってはマッチング拠出という制度を導入している場合があり、個人が掛け金を上乗せして拠出することができる場合があります。
マッチング拠出で拠出した掛け金は全額所得控除の対象となります。
掛け金の上限額
確定拠出年金は、個人型や企業型、加入者の属性によって掛け金の上限額が変わってきます。
個人型の場合、上限額は次の表の通りになります。
職業 | 掛け金上限 | |
自営業者など | 月額68,000円(年額81.6万円) | |
会社員 | 他の企業年金がない会社員 | 月額23,000円(年額27.6万円) |
企業型DCだけの会社員 | 月額20,000円(年額24万円) | |
他の企業年金がある会社員 | 月額12,000円(年額14.4万円) | |
公務員 | 月額12,000円(年額14.4万円) | |
主婦 | 月額23,000円(年額27.6万円) |
※他の企業年金とは、厚生年金基金、確定給付企業年金などのことです。
企業型については、企業型DCのみを採用している場合は、月額55,000円(年額66万円)、企業年金を併用している場合は月額27,500円(年額33万円)になります。
会社が掛け金を決めて拠出しているので掛け金を自分で決めることはできませんが、マッチング拠出制度を導入している場合は、上記の上限額まで個人が上乗せして拠出することができます。
自分は個人型?企業型?
まず初めに、勤めている会社に企業型確定拠出年金が導入されている場合、原則個人型に加入することは出来ません。
そもそも企業型は掛け金を会社が出してくれるので、わざわざ個人型に入って自分で掛け金を拠出するメリットはないかと思います。
ただし、企業型確定拠出年金を導入している企業でも、給与の一部を掛け金として確定拠出年金に拠出するか、給与としてそのまま受け取るかを選べる選択制DCという仕組みを導入している場合があります。
その場合は、掛け金をDCとして拠出していなければ個人型に加入することができます。
企業型拠出年金のない会社に勤めている人や自営業者・専業主婦などの人は個人型に加入することになります。
加入資格や掛け金上限を診断してくれるサイトがあるので、自分に加入資格があるのか、上限額がいくらなのか等を知りたい人は参考にしてみてください。
参考:中央ろうきんHP(https://rokin-ideco.com/shindan/index.html)
選択制DCとiDeCoはどちらを選ぶべきか?
選択制DCとiDeCoは、どちらも掛け金に対して税金がかからないという点については同じですが、DCの場合はさらに社会保険料も減る場合が多いため、税金面ではDCの方がメリットが多いです。
社会保険料は、収入に応じて「標準報酬額」が決定し、それに基づいて保険料や将来の年金受給額などが決まるので、給与をDCの掛け金として拠出することで収入が下がるので、それに応じて社会保険料も下がるというわけです。
ただし、標準報酬額が下がっている分、将来受け取れる厚生年金の額が減ってしまうというデメリットもあります。
厚生年金を受け取る期間が長いほど、減った金額の影響は大きくなります。
そのため、結論としては、
ということになります。
まとめ
確定拠出年金の個人型と企業型について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
どうしてもわからない人は、会社に自分が企業型なのか、個人型なのか、あるいはどちらにも入れないのかを聞いてみるのも一つの方法です。
確定拠出年金は、老後の備えとして最優先に活用すべき制度です。
難しくてわからないからといって諦めずに、わかるまで調べてしっかりと活用していくようにしましょう。