そんな疑問にお答えします。
FIREについて調べても、FIREを達成した人たちがどれだけ快適な毎日を満喫しているかという話はよく聞くけど、FIREを失敗したという話はあまり聞かないですよね。
そうなると、FIREに失敗した人たちがどういう理由で失敗したのか、どうすれば失敗を防げるのかが気になってきますよね。
そこで当記事では、FIREの失敗例5選とその対策9選について紹介します。
FIREの失敗例と対策を知ることで、あなた自身のFIRE計画を見直すきっかけとなれば幸いです。
FIREの失敗例5選
まず初めに、FIREの失敗例を5つ紹介したいと思います。
- 資産が足りなくなる
- 資産を取り崩す恐怖に耐えられなくなる
- 地方や海外移住で失敗する
- 孤独感に苛まれる
- どう過ごせば良いのかわからなくなる
それではまいります。
①資産が足りなくなる
一番シンプルな原因が、FIRE後に資産が足りなくなることです。
FIREに必要な資産は4パーセントールールを基に計算するのが一般的ですが、4パーセントルールはあくまで現在の生活費で生活を続けることを前提としています。
そのため、FIRE後に突発的な支出が発生したり、生活費が変動するようなライフイベントが発生したりすると、当初想定していた資産額では足りなくなってしまう可能性があります。
- 病気になって医療費が必要になる
- 両親の介護が必要になる
- 予定外の子どもができる
- 災害で持ち家を失う
生活費は自分でコントロールすることができますが、突発的な支出を防ぐことは難しいです。
想定外の支出が発生し、当初の資産計画が崩壊してしまうという失敗事例が多いようです。
②資産を取り崩す恐怖に耐えられなくなる
こちらも原因としてよくあるのが、資産を取り崩す恐怖に耐えられなくなることです。
FIRE達成後はそれまで貯蓄した資産を取り崩しながら生活をしていくことになります。
ライフプランを綿密に立てて、4パーセントルールをベースに取り崩していけば理論上は資産が減ることはないとわかってはいても、この資産が減っていく恐怖を完全に拭い去るのは難しいと思います。
この恐怖に耐え切れなくなり、安定的な収入を求めて働き始める人も多いようです。
③地方や海外移住で失敗する
FIREを達成している人の情報を調べていると、生活費が安く済む地方や物価が安い海外に移住されている人がたくさん見つかります。
会社員として働いていると、どうしても都会中心の生活になってしまう場合が多く、慌ただしい都会の喧騒から離れてしまいたくなります。
また、都会は地方に比べて住居費も高いので、日々の生活コストを圧迫する要因にもなります。
そんな気持ちから、自然に囲まれて家賃も安い地方や物価の安い海外へ移住してみたものの、地方特有の慣習やご近所付き合い、海外の生活スタイルが合わずに後悔してしまうという話も地方移住の失敗談として良く聞きますね。
後悔しても移住するために使った費用は戻ってきませんし、都会に戻ろうとするとまだ費用がかかってしまいます。
そうすると、当初のFIRE計画で用意した資産が足りなくなってしまい、再度働いてお金を貯める必要が出てきてしまいます。
④孤独感に苛まれる
FIREを達成して仕事をやめることで、嫌いな上司や面倒な客とのやりとりから解放されます。
その一方で、普段人とのコミュニケーションをする場のほとんどが職場だった場合、唯一のコミュニケーションの場を失うことで孤独感に苛まれてしまう人もいます。
あのベストセラー本の嫌われる勇気でも『人は「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思えたときにこそ、自らの価値を実感できる』という記載があります。
つまり、自らの主観で他者に貢献できていると感じた時に、われわれは初めて自らの価値を実感できるということです。
FIREを達成して仕事をする必要がなくなった結果、この他社貢献ができなくなり、自らの価値に疑問を持ってしまうということですね。
⑤どう過ごせば良いのかわからなくなる
FIREして自由な時間が手に入った結果、何をして過ごせばよいのかがわからなくなって悩むケースも多いです。
特に、毎日の仕事が辛くてFIREすること自体が目標になっていた人に多いみたいですね。
また、FIRE前は休日に楽しむ趣味があった人でも、自由な時間がたくさんできたことで、逆に趣味に興味を持てなくなるようなケースもあるそうです。
「俺は多趣味だからFIRE後にやることがなくなるなんてことはない!」と考えている人でも、このような状態になる可能性があることは認識しておくべきでしょう。
FIREを失敗しないための対策9つ
FIREの失敗例5選について紹介しました。
失敗例を見て、自分も同じことになるんじゃないかと不安に思った人も多いのではないでしょうか。
でも、大事なのは失敗例を見て怖がるのではなく、どうすれば同じことにならないかを失敗から学ぶことです。
偉大なる先人の経験から、より安全で不安のないFIRE生活を送れるように備えましょう!
そんなわけでここからは、上で紹介したような失敗をしないために、FIREを失敗しないための対策9つを紹介します。
- ライフプランを綿密に立てる
- リスクを抑えた資産配分にする
- ストック収入が得られる投資先に投資する
- FPなどの相談相手を見つけておく
- 移住する場合は体験しておく
- FIRE後も好きな仕事を続ける
- SNSやブログなどでつながりを作っておく
- 一人でもできる低コストな趣味を作っておく
- 健康に気を付ける
数が多いですが、大切なことなので1つずつ紹介していきます。
①ライフプランを綿密に立てる
これは主に「①資産が足りなくなる」失敗例の対策になります。
例えば、子どもを授かりものではありますが、作る時期はある程度自分たちでコントロールできます。
事前にいつからいつまでの期間で子作りをするのかを決めておきましょう。
子どもを作る時期や人数をあらかじめ決めておけば、将来必要になる教育費も事前に把握することができますね。
他にも、両親は歳を取り続けるので、病気になって亡くなったりしない限りはいつかは介護が必要になる可能性がありますし、自分も歳を取ったらなんらかの病気になることは想定できますね。
自分でコントロールできることや、年数の経過で発生することがある程度予測できることについては、事前にライフプランに盛りこんでおき、なるべく想定外の事態を減らすようにしましょう。
②リスクを抑えた資産配分にする
こちらは主に「①資産が足りなくなる」や「②資産を取り崩す恐怖に耐えられなくなる」失敗例の対策になります。
FIRE後の収入を株式や投資信託などの価格変動のリスクが大きい金融資産から賄っている場合、FIRE生活中に暴落が発生することも起こりえます。
暴落が発生して資産が目減りした結果、4パーセントルールで取り崩す資産額では生活費を賄えなくなる可能性もあります。
リスク資産を運用する限り、暴落を完全に回避することは不可能ですが、債券の比率を大きくするなど、リスクの少ない資産配分を心がけることで、暴落時のダメージを軽減することは可能です。
特に完全に仕事を辞めてFIREをする場合、人的資本からの収入がなくなるので、取れるリスクが想像しているよりも少なくなることを肝に銘じましょう。
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③ストック収入が得られる投資先に投資する
「②資産を取り崩す恐怖に耐えられなくなる」失敗例の対策です。
先ほども解説した通り、投資信託などの生活費を賄うために売却して換金が必要になる資産は、理論上減ることはないとわかっていても、資産を取り崩す恐怖というものを完全に拭い去ることは難しいです。
一方で、不動産投資の家賃収入や高配当株投資の配当金などの場合、継続的な収入(ストック収入)が得られます。
資産を取り崩すのではなく、資産が生み出す収入で生活することができるので、心理的な負担を減らすことができます。
④FPなどの相談相手を見つけておく
こちらも「①資産が足りなくなる」や「②資産を取り崩す恐怖に耐えられなくなる」失敗例の対策になります。
自分やパートナーだけでライフプランから資産運用まで考えていると、どうしても考えが偏ってしまい、計画を思わぬ落とし穴があっても気づけない場合があります。
FP(ファイナンシャルプランナー)であれば、自分達では気づけなかった思わぬ支出や資産運用の問題点に気づいてもらえる可能性があります。
また、お金のプロからのアドバイスを受けることで、心理的な安心感も得ることができるメリットもあります。
ただし、相談する場合は、自分と利害関係がなく、相談自体を有料で行っているFPを選びましょう。
自分と利害関係があるとどうしてもバイアスがかかってしまいますし、無料で相談を受けてくれるFPはなんらかの金融商品の販売に誘導することが目的の場合が多いです。
⑤移住する場合は先に体験しておく
「③地方や海外移住で失敗する」失敗例の対策です。
ネット上でのリサーチをするだけだと、どうしても田舎の悠々自適な生活や、海外生活のキラキラした良い部分ばかりが目に入ってしまい、正しい判断ができない場合があります。
そのため、情報を集めるだけでなく、本格的に移住をする前に実際にその地に住んでみることをおすすめします。
海外の場合は難しいかもしれませんが、日本で田舎に移住したいと考えている場合は、「二段階移住」という方法があります。
二段階移住とは、その名の通り、移住を二段階に分けてすること。
おもに、都会在住で、田舎への移住を希望する人が、いきなり田舎暮らしを選ばずに、まずは中間地点である地方都市などに移住して、そこに住みながらよりローカル度合いの高いエリアへの移住を目指す……というスライド式の移住方法を指す。
出典:田舎暮らしがしたい人へ!「二段階移住」のすすめ/伊佐知美の「旅するように移住」Vol.5(https://genic-web.com/articles/6069881)
費用も安く済むのでいきなり移住したくなる気持ちもわかりますが、本当に自分がその土地で暮らしていけるのかをしっかりと調査してから行動に移しましょう。
⑥FIRE後も好きな仕事を続ける
これはほとんどの失敗例の対策になります。
こんな風に思う人もいるかもしれませんが、FIRE前との大きな違いは、自分の好きな仕事、やりたい仕事だけを選ぶことができることです。
資産が少ない時は、つまらない仕事、やりたくない仕事でも生活のために我慢する必要がありますよね。
もちろん、FIRE前から好きな仕事ができているのが最高ですが、世の中すべての人が最初から好きな仕事を見つけて、その仕事に就けるとは限りません。
FIRE、あるいはサイドFIREを達成すれば、資産収入で足りない分だけを働いて稼げば良くなるので、選べる仕事の幅が格段に広がります。
好きな仕事をすれば、FIRE後によくある悩みの大半は解決できますし、仕事がうまくいけばより資産を増やすことができ、余裕のあるFIRE生活が送れるようになります。
⑦SNSやブログなどでつながりを作っておく
これは「④孤独感に苛まれる」失敗例の対策です。
僕はTwitterをやっているのですが、SNSには僕と同じようにFIREを目指して資産形成に励まれている方々がたくさんいます。
そんな共通の目標がある人達とのつながりを作っておくことで、FIRE達成までの励みになります。
また、FIRE後は同じ目標を目指す人達に役立つ情報を発信することで、他社貢献をすることもできます。
もちろん、FIRE関連に限らず、趣味などなんでも良いので、共通点ある相手とのつながりをSNSで作っておくことは、FIRE後の孤独感を防止する有効な手段になります。
⑧一人でもできる低コストな趣味を作っておく
「⑤どう過ごせば良いのかわからなくなる」失敗例の対策です。
失敗例のところでも紹介した通り、FIRE後は自由な時間が増えるため、やることがなくなってしまい、どう過ごして良いのかわからなくなってしまう場合があります。
友達と遊ぼうにも、FIREしていない友達は平日は普通に働いていて、家族がいれば休日に遊んでもらうこともなかなか難しいと思います。
そうならないために、一人でもできる低コストな趣味を複数作っておくことをおススメします。
最近は新型コロナの影響もあり、ソロキャンプなど、一人で楽しむことを前提とした趣味も増えてきていますよね。
他にも料理なんかは、作ることを楽しみつつ節約することもできるので、趣味と実益を兼ねることができます。
ただし、あまりお金がかかることを趣味にしてしまうと、FIRE後の資産運用に支障をきたしてしまう可能性があるので、なるべく低コストで楽しめる趣味を見つけることをおススメします。
⑨健康に気を付ける
最後に、FIREの失敗を防ぐというよりは、人生の失敗を防ぐ対策になります。
FIREをする・しないに関わらず、健康であることは、人生を楽しむために最も重要なことです。
どんなにお金があってFIREできたとしても、病気でどこにもいけなかったり、好きな物を食べたりできなければ何の意味もありません。
FIREを達成するために、睡眠を犠牲にして副業を頑張って体を壊したり、辛い仕事を無理して続けてうつ病になってしまっては本末転倒です。
健康を維持することは、資産形成と同じくらい重要だということを肝に銘じておきましょう。
まとめ
FIREの失敗例5選とその対策9つを解説しました。
まとめると次の通りです。
- 資産が足りなくなる
- 資産を取り崩す恐怖に耐えられなくなる
- 地方や海外移住で失敗する
- 孤独感に苛まれる
- どう過ごせば良いのかわからなくなる
- ライフプランを綿密に立てる
- リスクを抑えた資産配分にする
- ストック収入が得られる投資先に投資する
- FPなどの相談相手を見つけておく
- 移住する場合は体験しておく
- FIRE後も好きな仕事を続ける
- SNSやブログなどでつながりを作っておく
- 一人でもできる低コストな趣味を作っておく
- 健康に気を付ける
FIREを失敗しないためには、FIRE前からの準備が重要です。
過去の偉大な先人たちがFIREに挑戦して経験した失敗例から学び、少しでも失敗するリスクを減らすために準備をしておきましょう。